私はよく「まつなぎ」という言葉を遣ってきました。 「間をつなぐ」という慣用表現はありますが、これを名詞化するのは辞書にはないみたいで、書き出しから困ったことになりました。
オンラインカウンセリングは、2020年になってから急速に広まりました。 Covid-19流行に伴う外出自粛という異常事態のなかで、少しでも支援をお届けしようとしてサービスを開始した心理職が多かったように思うのです。
こころの相談室ねこのては、その流れに思い切り乗っかりました。
私はこころの相談室ねこのては、「まつなぎ」だと思っています。 私にとっての「まつなぎ」ではなく、相談してくださる方にとっての「まつなぎ」になればよいなぁと思っているのです。
インターネットは物理的な距離が大きく広い「間」をつなぐことができるかもしれません。そういう意味でもまつなぎ。
それ以上に、その人が必要とするものにもっと適切な援助に繋がるための「間」をつなぐものの一つになればいいなぁという願いです。
正直なところ、私が学んできた技法のいくつかは、オンラインではうまく使えないものです。 オンラインだからこそ提供できるものもあれば、オンラインでは提供できないものもある。 それに、相談者のかたが抱えている困難や立ち向かっていらっしゃる事態は、1回や2回のカウンセリングでは、どうにもならなようなものであることもあります。
そのことを踏まえると、継続的な支援を必要としている方ほど、オンラインではなくオフラインの支援につながっていただきたいと考えます。
その、つながるまでの「間」をつなぐ。 そんな役割ができればいいなぁと思います。
どこかに腰を据えてつながるための準備や、カウンセリングというもののお試し体験、どういったところに相談に行けばいいのだろうかという相談、そういうのものが「まつなぎ」だと考えるのです。 そのため、長期的な支援や継続的な治療があったほうがよい当方が判断した場合は、その方に適切と思われる相談先を提案させていただくことがあります。
どうぞ、御了承くださいませ。
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