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  • 執筆者の写真ふくち

心理職と適性

心理職に向いている人、向いていない人という話題を、時々、SNSのなかで見かけることがあります。

私自身も、そういえば、大学院生の時に向いていないと言われたことがありました。

それは、とある心理検査の結果を見てから講師に言われたのですが、その後のロールプレイで発言を謝ってもらったことがありました。

思うに、お仕事というのは「素の自分」そのままで行うことは少ないのではないのでしょうか。 それぞれが、自分なりに臨床家や治療者、支援者らしい言動を身につけていくものだと思いますので、たったひとつのなにかの基準で決めつけることは難しいと思うのです。


それだけではありません。

同業者とひとくちに申しても、公認心理師・臨床心理士の働く領域、現場、役割は多様です。

私はクリニックで長く働いてきたことから、医療現場での役割に慣れていますし、一対一の心理面接をすることに慣れています。

けれども、クリニックではグループセラピーやデイケアといった活動に関わる機会がなかったものですから、そのあたりは、クリニックよりも病院で就労経験がある人のほうが経験値が高いことでしょう。

同じ医療機関でも、総合病院など身体科のあるところで働いたことがある人は、リエゾンやコンサルテーションといった働き方が求められることも多いのではないでしょうか。

また、面接よりも心理査定が得意な方もいらっしゃるでしょうし、その開発を試みていらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。


心理職の活躍する領域は、医療だけにとどまらず、教育、福祉、司法、産業、あるいは、私設開業などと分類しますが、それぞれの領域内の現場ごとに、求められる役割が異なり、求められる知識が異なり、積み重なる経験が異なります。


となると、一括して、このような人は向いている、このような人は向いていないと、共通して言い切ろうとすること自体が、私にはとても無意味なことのように思えてくるのです。

むしろ、いろんな人たちにいてほしいとさえ思います。


一対一の臨床が向いている人は、臨床に専念できるように。

教育や産業の領域で働く方たちには、組織の中での働きかけとは無縁でいられなように思います。

研究が得意な方には研究者として、新しい知見を心理学に加えることや、その知見を普及させるの教育や研修をすることが得意な方たちであればよいのだと思うのです。海外の言語を苦も無く読める方に尊敬を禁じ得ませんし、研究者の方たちの読書量たるや追い付くことの難しさを感じてなりません。

中でも、文章を書くことが得意な方は、一般の方にもこの職業や、人々の様々な悩みや心の動きについて、あるいは、ケアについて、人口に膾炙するように広報として機能していただけたらありがたいように思います。

行政や政治との交渉が向いている人は、職能団体や学会をとりまとめたり、職業全体の未来をより良いものに導くよう、地位向上に向けて働いてほしいように思います。

そんな風に一つの職業の中においても、さまざまな働き方があるわけですから、それぞれに見合った、性に合った働き方や職場と出会えるといいですね。


もう一つ、付け加えるならば、臨床家に限って言っても、いろんな個性の心理職がいるほうが、ユーザーが選択する選択肢が広まっていいんじゃないかしら。

相性というものは、ありますから。

それに、加齢とともに、人は変わりますから。

私はそのように考えます。




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